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2026-21日本の焙煎度の歴史 「8段階の焙煎はいつできたのか」

2026年04月03日 08:37

焙煎度については、これまでライト、ミディアム、ダークなど様々な言葉が使用されてきました。
しかし、1911年設立の米国でも歴史あるNCANational Coffee Association)でも焙煎度については明確な基準をもっていませんでした。も
ちろん、SCAにおいても焙煎の基準はありませんので、焙煎の8段階は、いつ、だれが作ったのかよくわかりません。

おそらく、米国の196070年代の焙煎拡大の時代に工場で焙煎度を標準化する必要が生じ、 焙煎色の区分化の方向に向かったと推測します。
しかし、この区分はもっと早くからあったのかもしれません。また、日本ではいつ紹介されたのかわかりません。
高島君子さん(木村コーヒーのコーヒー教室の室長)の古い本である、1974年の「世界のコーヒー専科」(1974)には8段階の焙煎度が掲載されていますが、それ以前の日本の書籍では確認ができません、どなたかわかる方教えてください。


現在、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチイタリアンという焙煎区分は、主に日本で使用され、他国ではほとんど使用されていません。体系化に際しては、どのようにして行ったのかわかりません。
例えばフレンチ、イタリアという焙煎度は実際の焙煎度ではなく、アメリカ人が区分のために作ったものと考えるのが妥当です。

私が開業する40年前に米国、フランス、イタリアを市場調査しましたが、フランス、イタリアにも深い焙煎のコーヒーはほとんどなく、多くはミディアムでした。この当時はまだ、ジャーマンローストやウインナローストという言葉も使用されていましたが、焙煎度は深くても8段階表記ではハイロースト程度でした。深い焙煎をしていたのは、サンフランシスコのピーツコーヒー(1966年~)やそのコーヒーに影響を受けたシアトルのスターバックス(1971年~)などでした。それ以外はシアトルのイタリア系のコーヒー店やサンフランシスコ、ニューヨークの挽き売り店などが一部深い焙煎をしていたにすぎません。現在の欧米では、light、mediumdarkなどの34段階しか使わない場合が多いです。

日本の焙煎豆市場は、大手10社前後で70%程度の市場占有があり、寡占化されているといえます。
その他中小焙煎会社が200300社、自家焙煎店が6000店程度と推測されますが確実なデータはありません。
また、大まかですが使用業態から見ると喫茶・カフェが70.000店、コンビニが56.000店、コーヒーショップチェンが6.000店、ファーストフードが7.000店、ファミレスが5.000店、ホテル旅館50.000店あり、そこで使用されています。
現在は、コンビニが日本最大のコーヒー提供業態といえるでしょう。

これら日本の消費市場での焙煎度は様々です。スーパーなどではミディアムが多く見られますが、コンビニやコーヒーショップではコーヒーメーカーなどの抽出のため深煎りの焙煎豆も多く見られます。
また、焙煎豆の小売りは、スーパー、百貨店、自家焙煎店、通販、生協などがありますが、データはなく、焙煎度を確認できません。

日本スペシャルティコーヒーの会員聞き取り調査では、ロースターの場合は業務用卸が多いため中煎りが多くなりますが、自家焙煎店の大まかな傾向としては、浅煎り、中煎り、深煎りが同程度という印象です(n=245/SCAJ調査)。
焙煎度合いの明確な基準を提示していないので曖昧な結果ですが、焙煎度合いの多様化の傾向が見られます。

焙煎度は推定%

1990年以前の焙煎度=浅煎り5%・中煎り90%・深煎り5%
日本ではミディアムが主流で、深い焙煎はアイスコーヒー用で多く見られました。
ごく一部の自家焙煎店が深い焙煎をし、チェーン店の珈琲館の炭火焙煎が見られました。
また、東京のコクテール堂がシティからフレンチローストの焙煎豆を、神戸の萩原珈がハイからシティ程度の焙煎豆を喫茶店やコーヒー専門店に卸していました。
この当時は、コーヒー専門店と呼ばれる業態も多く見られました。

1990
年代=浅煎り5%・ミディアム90%・深煎り5%
90%以上がミディアムローストの時代です、深い焙煎豆は喫茶店卸などで一部流通しましたが、家庭用向けの焙煎豆はごく限られていました。
私は1990年に家庭用向けの焙煎豆を販売するために開業しました。
ミディアム主流の市場でシティ、フレンチの豆を販売しましたので、当時としては例外的な店であったと思います。

2000
年代=浅煎り10%・中煎り75%・深煎り15
スぺシャルティコーヒーの黎明期を経て、ハイローストからフレンチローストの深めの焙煎豆も見られるようになり、焙煎度の幅が広がった時代です。

2010
年代=浅煎り15%・中煎り60%・深煎り25
焙煎度はさらに多様化します。米国のサードウェーブのシングルオリジンの影響を受けた自家焙煎店が浅い焙煎に向かいました。
また、カッピングを体験する自家焙煎店も増加し、コンテストも浅い焙煎に向かい、一部でミディアムより浅い焙煎度の豆も増加傾向にありました。一方で深い焙煎の上昇も見られました。

2020
年代 浅煎り20%・中煎り50%・深煎り30
焙煎度はますます多様化します。競技会の影響で浅い焙煎度も増加していますが、全体のコーヒー消費量の中では少量です。

結局様々な焙煎度の豆が共存していますので、それはそれで多様性があり良いと考えます。
問題は、生豆のもっているポテンシャルを表現しているのか否かだと考えます。


horiguchi