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2026ー33 カチモール品種 その2

2026年07月09日 17:35

カチモール品種は、アラビカ種とロブスタ種の自然交雑種であるティモールハイブリッド(HDT)とカトゥーラ(Caturra)を交配して育成された品種群です。
195060年代にポルトガルのコーヒー研究機関で育成され、さび病耐性を持つことから世界各国へ普及しました。
標高約8001600mに適応し、密植栽培にも適しているため、管理しやすく、高収量であることから、多くの国の育種プログラムで利用され、新品種の重要な親品種となっています。
現在では世界で最も広く栽培されているアラビカ系統の一つとなっています。おそらくアラビカ種の全体の80%程度を超えるような勢いで増加しています。

主なカチモール系品種
CIFC 832系統(世界各国) カスティージョ(コロンビア) バリエダ・コロンビア(コロンビア) IHCAFE 90(ホンジュラス) Lempira(ホンジュラス)、Parainema(ホンジュラス)、Costa Rica 95(コスタリカ)、Ateng(インドネシア)、Timtim(インドネシア)、Catimor 128129(ベトナム)、Ruiru 11(ケニア)、Batian(ケニア)、832系統(中国)などが主なカチモール品種で、多くの場合他の品種と混ざり流通しています。

風味
一般的には、繊細なフローラル香や果実香は弱く、酸味は単調になりやすい傾向があります。
透明感や余韻はやや乏しく、ナッツ、穀物、ハーブなどのニュアンスがあり、また重く、苦味を感じる場合もあります。
酸味はクエン酸主体の明るい酸というより、酢酸を思わせるやや鋭い酸として感じられることが多くあります。

今後の市場予測

気候変動、さび病、高温耐性さらには労働力不足を考えると、カチモール品種は今後10年で栽培面積はさらに増加する可能性が高いと考えます。ただし、高品質市場では、ティピカ、ブルボンなどの伝統品種はごくわずか残るかもしれませんが、今のゲイシャ並みの高価格帯になるかもしれません。
今後は品種よりも生産性が優先される時代になっていく可能性が高く、世界全体の平均的な風味は均質化し、透明感のあるクラシックなアラビカの風味は、ますます希少になると考えられます。

現在の育種は、病害抵抗性や収量性、気候変動への適応を重視する方向へ進んでいます。
結果として、10年後にロブスタ種とカチモール品種ばかりになり、コーヒー離れが加速する可能性もあり、コーヒー産業は衰退する可能性が高くなると考えます。
さらに、二次加工品である嫌気性発酵コーヒーや、発酵技術や食品工学によって作られる「ケミカルコーヒー(代替コーヒー)」との競争も現実味を帯びてくるでしょう。そんなことを考えるコーヒー関係者は少数派かもしれません。

消費者はコーヒーを「おいしいから飲む」のであり、品質や風味はコーヒー産業を支える最も重要な価値です。コーヒーが農業として成立するためには品質や風味が重要ですあることは間違いないと考えます。
科学コーヒーではなく天然のコーヒーがその優位性を維持するためには、生産量だけではなく、他では再現できない品質と風味を守り続けることが不可欠だと考えます。
つまり、コーヒーを「農業として成立させるためには、「消費国の一部が新たに品質を維持する時代」に移行しなければならないと考えます。
賢明な消費者が価値を認める品質を維持できる仕組みを作らなければ、コーヒー産業そのものが縮小すると考えています。
このことを、事例を上げて10月のSCAJの展示会の講演で説明します。


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