夢のようで、現(うつつ)。 眠らない夜の、まどろみ処。 今日と明日のあいだには、 名前のない時間が流れています。 帰り道を見失ったわけではないけれど、 まっすぐ帰るには、少し月が綺麗すぎる。 そんな夜は、どうぞ暖簾をくぐってください。 ここは、都会の隙間に空いた、タヌキの巣穴。 起きているのか、眠っているのか。 そんな白黒は、ここではつけなくていいんです。 湯気の向こうにぼんやりと、 明日への言い訳を探しながら。 身体に沁み入る出汁と、静かなお酒で、 朝が来るまで、上手な「狸寝入り」を。
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